循環型林業の確立に向けて島根県では伐採者と造林者の連携(一貫作業)や単伐期施業に適した樹種として“コウヨウザン”の普及に努めています。

 

一貫作業についてはこれまでもこのブログにおいて取り上げてきましたので、

今日は“コウヨウザン”目線でお送りします。

 

先日、島根県西部農林振興センターの林業担当の方と4月に植栽を計画している“コウヨウザン”の植栽適地の検討を実施しました。

コウヨウザンとは

○ヒノキ科コウヨウザン属(広葉杉)

常緑の針葉樹

○分布

中国の中南部及び台湾で主要造林樹種

日本には江戸時代に後期に導入され寺社仏閣に植栽

○用途

・建築材(特に柱や横架)、家具、合板、土木資材、装飾箱、棺材

・材質はスギとヒノキの中間程度(大分県調べ)

・バイオマス燃料利用

○成長特性

・スギの1.5倍の材積成長

・適地は谷部や緩斜面の土層が厚く、湿潤で肥沃かつ排水性が高い土地

・樹幹は通直で、胸高直径2m、樹高30mまで達する。

・萌芽力が旺盛

 

参考文献

林野庁四国森林管理局森林整備部技術普及課 企画官 本田雄二氏

「コウヨウザン3世代プロジェクト」

(H31.3.14活性化協議会講演会資料より抜粋)

 

 

コウヨウザンの位置づけとしては

☆経営面:早期収穫可能、造林意欲向上へ期待

☆材質面:スギより強度が高い

☆環境面:花粉発生源対策に寄与

などが挙げられ、一貫作業の施業方法を確立し、低コスト化の実現にあわせ、

コウヨウザンという選択による短サイクル化を図ることが、林業経営の選択肢を拡げ、循環型林業の確立へ進んでいきたいと考えています。

先ずは、施業技術の開発からコウヨウザンの認識が高まるための情報提供に努めて参ります。

 

参考文献

島根県農林水産部森林整備課 菊池亮介氏 片岡寛嘉氏

「島根県における伐採者と造林者の連携やコウヨウザン植林に向けての取り組み」

(H31.3.14活性化協議会講演会資料より抜粋)